2008年7月22日火曜日

「社会的共通資本」

宇沢弘文著「社会的共通資本」(岩波文庫)を読んだ。近所の本屋で売れ残っていたのを買ってきたのだが、内容がよくわからない。
生産、流通、消費の過程で制約的となるような希少資源は、社会的共通資本と私的資本の二つに分類される。社会的共通資本は、私的資本とは異なって、個々の経済主体によって私的な観点から管理、運営されるものではなく、社会全体にとって共通の資産として、社会的に管理、運営されるようなものを一般的に総称する。・・・社会的共通資本は土地、大気、土壌、森林、河川、海洋などの自然環境だけではなく道路、上水道、公共的交通機関、電力、通信施設などの社会的インストラクチャー、教育、医療、金融、司法、行政などのいわゆる制度資本をも含む。・・・社会的共通資本の管理を委ねられた機構は、あくまでも独立で、自立的な立場に立って、専門的知見にもとづき、職業的規律にしたがって行動し、市民に対して直接的に管理責任を負うものでなくてはならない。
感想1 資本とは、金融資本、物的資本、人的資本ぐらいかと思っていたけど、それ以外にも色々あるのね。あんまり聞かないけど・・・

感想2 行政も資本なんだ。ふぅん。

感想3 もし、社会的共通資本の管理を委ねる機構を政府とは別につくったとしても、政府の監視監督を受ける以上、実際には政府の一部門になりますよ。つまり、「社会的共通資本」が描く理想の社会とは、個人の自由よりも社会のインフラや、環境、農業への統制、保護を優先し、個人の自由はそれらを邪魔しない場合において認められる事実上の社会主義社会ということなのか・・・

もっと理論的な内容を期待していたのだが、ワリと感情論が前面に出てくる内容であった。人間が人間らしく、という理想はわからないでもないが、それはすべての人が、何不自由ない生活を送れるようになってから実現されるものであって、人類がそのようなことを言うのは1000年早い。

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