私は今勤務している地方自治体以外で働いたことがないし、特に金に困ったこともないのでアルバイトもしたことがない。だから民間企業や商店や工場というのがどういう組織なのか感覚的にはわからない。しかし、今の地方自治体については次のように言うことができる。地方自治体は自己完結の組織である、と。建前上市民のために働くことになってはいるが、職員の目線の先にあるのはあるべき社会や現に生活している市民ではなく、上司と同僚を相手に如何に仕事をするか、ということである。社会の常識は役所の非常識と言われることがあるが、その非常識も自己保身のためには極めて有効である。うかつに最前線で「部外者の」市民を相手に大活躍しようものなら味方に後ろから撃たれる、というのが役所の世界なのである。
なぜなのか?というと、役所は身内のために働く自己完結の組織だから、というのが答えである。例えばイベントを計画してチケットがさばけないと(残念ながら、役所の企画したイベントでチケットを売り切ったという話は聞いたことがないが)管理職以上は購入を(マイルドに)強要される。購入依頼の文書にはたいてい「趣旨をご理解のうえ、ご購入願います」と書いてある。拒否する奴はKYという訳だ。計画をたてれば、あらゆる部局であらゆる計画が立てられ、そのために必要となる時間と労力は膨大であるが、効果的な計画など見たことも聞いたこともない。担当でなければ身内の職員ですら、読んでもよくわからない作文を作って終わりである。好奇心から不明な点について担当に説明を求めると、苛立ち混じりの良くわからない回答がなされる。形式上公表もされるが、市民からなにがしかの反応があることは全く期待されていない(というか誰もそんなものがあることを知らない)。これらはみな誰のための仕事でもなく、職員の、職員による、職員のための仕事なのであって、「部外者」とつながりのある奴、「部外者」相手に本気で仕事をしようとする奴の方が異端なのである。
組織の収入は税金で保証されている。あとは、身内の世界に引きこもり、身内同士で気分よく仕事ごっこができればいい、という組織に我々は決して安くはない税金を払っているのである。

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